キレイです。

117億光年彼方の赤く燃える『アインシュタイン・リング』を撮影!キレイだね……ってこれ『ロード・オブ・ザ・リング』の「サウロンの目」ちゃうん!?

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南米のチリ・アンデス山中。標高約5000メートルのこの高原は、1年を通して晴天が多く、天体観測にはうってつけだ。そんな地で “宇宙の謎を探るために” 空の向こうを見つめ続けているのがアルマ望遠鏡である。

そしてこの度、アルマ望遠鏡が素晴らしい映像の撮影に成功した。それは、真っ赤に燃える、「アインシュタイン・リング」! そしてその正体は、117億光年彼方の銀河!! その上、映画『ロード・オブ・ザ・リング』で空の上からニラんでくる “サウロンの炎の目” を彷彿とさせる姿……となんだか、めっぽう豪華なものが写し出されたようだぞ!

・117億光年彼方の銀河 SDP.81

2014年10月に撮影された、117億光年の距離に位置する銀河 SDP.81。そんなに遠くにあるのだから、 SDP.81 と私たちの天の川銀河との間には、他の銀河も存在する。そして、その銀河の巨大な重力によって SDP.81 から来る光がゆがめられるのだ。

このように「重力レンズ効果現象」によって、光がゆがめられ、円弧状に引き伸ばされてできた輪は、「アインシュタイン・リング」と呼ばれている。理由は、アインシュタイン相対性理論の中で予言していたからだ。

・ココまでキレイな円はとても珍しい

さて真っ暗な写真の真ん中に、ぽっかりと真っ赤に燃える輪っかが浮かんでいる。そうか、これがアインシュタインの……と見入ってしまうが、実はこれほど完璧な「アインシュタイン・リング」が捉えられるのは珍しいことで、人間の視力の2600倍相当のアルマ望遠鏡の解像度と感度があって初めて可能になったという。

ということで、国立天文台チリ観測所の伊王野大介准教授も、以下の様に驚きを語っている。